この記事では、YouTubeチャンネルの売却について以下の内容を解説しています。
- 規約違反が否か
- 売却相場
- 売却方法
- 売却のメリット
- 売却時のポイント・注意点
- 人気ジャンル
- 譲渡の流れ
YouTubeは収益化が難しい一方で、収益化できれば継続的な利益を得られるため、収益を出しているチャンネル(アカウント)の需要が高いです。
しかし、売却時の注意点があり、知識がないまま取引を行うとトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
必ず基礎的な知識や売却時のポイントを適切に理解しましょう。
この記事を読めば安全、かつ高値で売却する方法やポイントを理解できるので、ぜひご覧ください。
目次
YouTubeチャンネルの売却は規約違反?
2024年5月現在、YouTubeチャンネルの売却禁止の規約はありません。
また、YouTubeのヘルプセンターには、アカウントの所有者の変更・譲渡に関するページが設けられています。
- ブランド アカウントでチャンネルの所有者と管理者を変更する
- YouTube チャンネルをブランド アカウントから別のブランド アカウントに移行する
- チャンネルの所有権を譲渡した後のレポート作成に関する変更
- 所有権譲渡リクエストの解決
実際にチャンネルの売買も数多く行われているので、チャンネルを売却したこと自体が問題になる可能性は非常に低いです。
ただ、中には「YouTubeチャンネルの売却は規約違反」と考える方もいます。
背景としては、YouTubeは利用規約で商用利用を原則禁止していることが挙げられます。
しかし、売買自体が違反となった情報はなく、所有者の変更や譲渡に関するページが設けられている観点からも、基本的にYouTubeチャンネルの売却は許容されていると判断できるでしょう。
参考:YouTube利用規約
YouTubeチャンネルの売却相場
YouTubeチャンネルの売却相場は「月間収益の10〜15ヶ月分」程度です。
例えば、月間収益が10万円であれば、100〜150万円の売却額が相場となります。
ただし、月間収益だけでなく、以下のような要素によっても売却額が変わることに留意してください。
- 登録者数
- 再生数
- ジャンル
- 属人性
また、YouTubeで稼ぐ際の一番のハードルは収益化といわれており、収益化しているだけでも10〜30万円で売却できる場合があります。
YouTubeの収益化まで到達せずに挫折してしまう方も多く、直近の収益が0円でも収益化を達成すればチャンネルの価値は跳ね上がるためです。
実際にYouTubeチャンネルの売買ができる「ラッコM&A」を確認してみると、収益化間近(直近の収益0円)のチャンネルが希望売却価格350,000円で成約した例もあります。
YouTubeチャンネルの売却方法
YouTubeチャンネルの売却方法は、大きく以下の2つです。
- M&Aプラットフォームの活用
- 個人間取引
それぞれ特徴が異なるので、自分に合った方法を選んでください。
M&Aプラットフォームの活用
M&Aプラットフォームとは、YouTubeチャンネルやWebサイトの売り手と買い手を仲介するサービスです。
代表的なサービスとしては「ラッコM&A」が挙げられます。
M&Aプラットフォームの利用は、以下のようなメリットがあります。
- チャンネル名を開示しなくてもいい
- 契約書を作成でき、トラブルを回避できる
- 専門家のサポートを受けられる
- より幅広く買い手を募集できる
ただし、M&Aプラットフォームを活用すると仲介手数料が発生する点は考慮してください。
売り手の手数料は無料で、買い手に手数料が生じるサービスが多いです。
手数料を踏まえて購入額を決める買い手の場合、売却額が下がる可能性があるため注意しましょう。
個人間取引
M&Aプラットフォームを介さずに、自身で買い手を見つける方法もあります。
人脈やSNSなどを活用して買い手を見つける場合が多いです。
手数料が発生しないため、最初から売り手が決まっている場合におすすめの方法です。
ただし、買い手と売り手の間に入る存在がいないので、法的行為に慣れていないと「代金の未払い」や「取引内容の認識違い」といったトラブルの原因になる可能性があります。
トラブルを避けるためにも契約書を作成し、お互いの齟齬が生じないように取引を行いましょう。
YouTubeチャンネルを売却するメリット
YouTubeチャンネルの売却には以下のようなメリットがあります。
- 高額で取引しやすい
- 他のYouTubeチャンネルや事業に集中できる
- 一度ノウハウを得られたら何度も売却できる
ここでは、各メリットを詳しく解説します。
高額で取引しやすい
YouTubeチャンネルは高額で売却しやすく、中には1,000万円以上で取引されるケースもあります。
10〜15ヵ月分の収益をまとめて得られるため、出口戦略としても有効で、別事業への大規模な投資も可能となります。
仮に売り手がYouTubeを売却せず、今後2年・3年と長期間で運営したなら、より多くの収益を得られる可能性もあるでしょう。
しかし、今現在の収益が将来も必ず続くとは限らず、運営に一定の労力もかかるので、収益性や今後の動向を踏まえ、最も得となるタイミングで売却を検討しましょう。
他のYouTubeチャンネルや事業に集中できる
YouTubeチャンネルの売却によって、他のYouTubeチャンネルの運営や事業に集中できます。
YouTubeチャンネルの運営には定期的な動画投稿が必要です。
特にトレンド型のコンテンツを扱う場合、投稿頻度が下がると収益も悪化していきます。
YouTubeチャンネルの更新にリソースを注ぐあまり、他のチャンネルや事業に集中できなくなる可能性もあります。
その点YouTubeチャンネルを売却してしまえば、定期的な動画投稿を必要とせず、まとまった資金も得られます。
動画投稿にリソースを割く必要がなくなるため、別のYouTubeチャンネルの動画投稿や事業運営に集中でき、総合的な利益向上を目指せます。
一度ノウハウを得られたら何度も売却できる
YouTubeは収益化の基準を達成した途端にチャンネルの価値が向上します。
収益化の条件を達成できずに挫折してしまう方が多いからです。
YouTubeチャンネルを収益化させるノウハウを獲得できれば、売却を繰り返して大きな利益を出せる可能性があります。
最もオーソドックスとなるYouTubeの広告収入を得られる基準は以下の通りです。
- チャンネル登録者数が1,000人以上で、以下のいずれかを満たしている
- 長尺動画の再生時間が過去365日で4,000時間以上
- ショート動画の視聴回数が過去90日で1,000万回以上
ノウハウを得られたら、YouTube収益化のコンサルタントや代行業といった働き方も視野に入れられるでしょう。
YouTubeチャンネルの売却額を上げるポイント
YouTubeチャンネルの売却額は、直近の収益額以外の要因にも左右されます。
具体的には以下のポイントを押さえたYouTubeチャンネルであれば、売却額が上がりやすいです。
- YouTube広告以外の収益化の方法を確立する
- 視聴者層が広いチャンネルを運営する
- 属人性が低いチャンネルを運営する
YouTube広告以外の収益化の方法を確立する
YouTube広告以外のマネタイズの方法が確立されていると売却額は上がりやすいです。
YouTubeで最もメジャーなマネタイズ方法は、動画再生による広告収入です。
ただ、以下のような形態で収益化しているチャンネルもあります。
- 企業案件
- メンバーシップ収益
- YouTube Premiumからの収益
- アフィリエイト収益
- グッズ販売
- イベントの開催
動画再生広告以外のマネタイズ方法を確立していれば、より高い収益性を実現でき、リスク分散にもなります。
そのため、YouTubeチャンネル購入後に稼ぎやすいと判断され、高値で取引される要因となります。
視聴者層が広いチャンネルを運営する
YouTubeの参入ジャンルによって視聴者層は大きく異なります。
例えば「エンタメ」や「料理」などは視聴者層が広い一方で、「ビジネス」や「昆虫」などは限られた人しか視聴しません。
視聴者層が広いジャンルは競合チャンネルも多い傾向にありますが、その中で立ち位置を確立できれば登録者数や再生回数も増えやすいです。
登録者数や再生回数が増えれば収益性は向上し、広告以外のマネタイズが可能にもなります。
その結果、相場より高い金額で売却できるようになるでしょう。
一方で、ニッチな分野だと競合チャンネルは少ないですが、登録者数や再生数が伸びにくいので注意が必要です。
属人性が低いチャンネルを運営する
属人性が低いチャンネルは高額で売却しやすいです。
「属人性が低いチャンネル」を言い換えると「出演者がいないチャンネル」です。
出演者がいなければチャンネルを購入した後も同じ系統の動画を作りやすく、外注で製作を行う選択肢も生まれます。
一方で「運営者が顔出しで動画に出演」「運営者のナレーションや実況を中心に動画が進む」といったチャンネルだと、同じ雰囲気の動画が作れず、外注も難しいです。
また、出演者の人気により登録者数や再生数が伸びていたとしたら、売買後も同じように稼げるとは限りません。
この点から、属人性が高いチャンネルよりも低いチャンネルの需要が高く、高値で売却しやすいのです。
YouTubeチャンネルを売却する際の注意点
YouTubeチャンネルの売却では、一部注意点があります。
- 売却益に税金がかかる
- 今後売却が禁止になる可能性がある
- 継続した収益が途絶える
これらの注意点を知らないと、かえって損をしてしまうこともあるので注意が必要です。
売却益に税金がかかる
YouTubeチャンネルの売却益は所得税の課税対象です。
所得区分の「譲渡所得」に該当することが一般的です。
販売価格から制作費用や売却手数料などを差し引いた金額が課税所得となります。
ただし、繰り返し反復して譲渡している場合などは「事業所得」や「雑所得」に当たる場合もあります。
いずれにせよ所得税の確定申告が必要で、申告手続きを行わないと延滞税や加算税が課されてしまうので注意してください。
今後売却が禁止になる可能性がある
YouTubeチャンネルの売却は、今後禁止になる可能性もゼロではありません。
2024年5月時点において、YouTubeチャンネルの売却は禁止されていませんが、上記でも触れた通り「規約違反に当たる」という意見があることも事実です。
売買目的のチャンネル開設があまりに増えると、InstagramやX(旧Twitter)のように、アカウントの売買が規約で禁止される可能性があります。
規約は急に変更になる場合があるので、売却時に必ず確認しましょう。
【 参考 】
・利用規約 | Instagramヘルプセンター
・プラットフォームの操作とスパムに関するポリシー
・利用規約
継続した収益が途絶える
YouTubeチャンネルの売却により、継続した収入が途絶えてしまいます。
今後も継続してチャンネル運営を行う場合、売却するよりも多くの利益を得られる可能性があります。
YouTubeチャンネルの売却額は、月の収益の10〜15ヵ月程度が相場で、16ヵ月以上運営を続ける場合はかえって損をしてしまう計算になります。
また、売却後の収入面の目途が立っていないなら、貯蓄をすり減らす必要があり、精神的な負担にもなりかねないため注意しましょう。
もちろん、今後も同水準の収益が生じるとは限らず、運営を続けるためのリソースの確保が必要となるので、将来を見据えた決断を行うことが重要です。
YouTubeチャンネルの売却で人気のジャンル
YouTubeチャンネルの売却で人気のジャンルとして、以下の3つが挙げられます。
- 切り抜きチャンネル
- 解説チャンネル
- 読み物系チャンネル
それぞれの特徴を詳しく解説します。
切り抜きチャンネル
切り抜きチャンネルとは、YouTubeに投稿されている長時間の動画の一部を切り抜き(カットして)短い動画に編集して投稿するチャンネルです。
切り抜きチャンネルの主なメリットは以下の通りです。
- 属人性がない
- 人気チャンネルの影響力を活かせる
- ネタ不足になる可能性が低い
「本家のチャンネルは好きだが長時間の動画を見る時間がない」「ライトなファン」といった方をターゲットにできます。
ただし、無断で切り抜き動画を作ると著作権違反に当たる可能性があります。
本家の投稿者から許可が必要となる点に留意してください。
また、競合チャンネルとの差別化が難しく、切り抜き元のチャンネルの人気がなければ中々収益が上がりません。
解説チャンネル
解説チャンネルとは、時事ネタやスポーツ、エンタメなどの特定ジャンルの専門的な説明や考察などを行うチャンネルです。
自分の声を動画に当てることもできますが、属人性を下げるためにも音声生成ソフトなどの活用がおすすめです。
解説チャンネルの主なメリットは大きく以下の通りです。
- 自分の専門性を活かせる
- 差別化をしやすい
- 権利のトラブルが生じにくい
ただし、専門分野や得意分野がない場合、リサーチに費やす時間が長くなります。
専門性の高い人材に台本作りを外注するような対策が必要となります。
読み物系チャンネル
読み物系チャンネルとは、インターネット掲示板の会話やSNSの投稿などをまとめたコンテンツの発信を行うチャンネルです。
読み物系チャンネルの主なメリットは以下の通りです。
- 掲示板やSNSなどの幅広いプラットフォームから情報を集められる
- マニュアル化しやすい
- ネタ切れの心配が少ない
ただし、人々が興味のあるコンテンツを適切に見極める必要はあるでしょう。
また、上記の2つのチャンネルよりも動画作成に時間がかかる可能性があります。
YouTubeチャンネルを譲渡する流れ
YouTubeチャンネルの譲渡の流れは大きく以下の通りです。
- 譲渡を行うYouTubeチャンネルから、譲渡先のアカウントを招待
- 譲渡先のアカウントがチャンネルの招待に応じる
- 7日以上経過後にメインオーナーを譲渡先のアカウントに変更
- 譲渡元のオーナーの権限を削除
ただし、YouTubeチャンネルは個人での譲渡ができません。
譲渡時はビジネスやブランドで用いる「ブランドアカウント」を作る必要があります。
【 参考 】
・YouTubeチャンネル(ブランドアカウント)の譲渡(権限移行)手順
・ブランド アカウントを管理する
まとめ
今回はYouTubeチャンネルの売却について、以下の内容を解説しました。
- 規約違反が否か
- 売却相場
- 売却方法
- 売却のメリット
- 売却時のポイント・注意点
- 人気ジャンル
- 譲渡の流れ
YouTubeチャンネルは高額で売却できるので、まとまった資金を手に入れられます。
また、運営者のリソースにも余裕が生まれるため、別の事業やチャンネル運営に集中でき、ノウハウを得さえすれば繰り返しチャンネルの売却ができます。
YouTubeチャンネルの主な売却方法は「M&Aプラットフォームの活用」と「個人間取引」の2つです。
しかし、個人間の取引はトラブルが発生する場合もあり、基本的にはM&Aプラットフォームの活用がおすすめです。
ラッコM&Aのように実績があり、弁護士によるサポートも受けられるようなサービスであれば、安心してYouTubeチャンネルの売却ができるはずなので、ぜひ参考にしてください。また、ラッコM&Aと同じ会社が運営しているサービスに「ラッコキーワード」があります。
YouTube運営においても役立つ機能が複数搭載されているので、ぜひご確認ください!
ラッコキーワードについては「ラッコキーワードの使い方・登録方法を徹底解説:無料・有料の違いやよくある質問も紹介」で詳しく紹介しています。
ラッコキーワードの使い方・登録方法を徹底解説:無料・有料の違いやよくある質問も紹介 ▼WordPressの始め方はこちら▼ 【超初心者向け】WordPressブログの始め方を簡単にわかりやすく解説