「他のブログの画像を使いたいんだけど、載せていいの?」
「そもそもブログの引用って、許可は必要?」
「正しく引用しないと著作権侵害で訴えられちゃうって本当?怖い…」
ブログを書いていると「記事に使いたい!」と思う写真をネットで見かけることもあると思います。でも、勝手に使ってトラブルになるのは怖いですよね…
結論から言うと正しく引用しないと著作権法違反になり著作者から訴えられる可能性もあります。なので、ブログを運営するなら引用については必ず勉強しておきましょう。
本記事では、ブログの引用について、以下の点を紹介します。
- 引用方法を間違えると降りかかる恐怖
- ブログの正しい引用の方法
- 他のサイトの画像を使う場合の注意点
この記事を読むと、正しい引用のしかたがわかりますよ。画像も安心して使えるように、ぜひ参考にしてください!
ブログにおける引用とは?30秒でサクッと解説
引用とは、他の人の文章や画像などを、自分のブログを補完するために使うことです。著作権法にもとづき、一定要件を満たせば許可なく引用することが可能。
著作権法では,一定の「例外的」な場合に著作権等を制限して,著作権者等に許諾を得ることなく利用できることを定めています(第30条?第47条の8)。
引用元:文化庁|著作物が自由に使える場合
一方、その条件を満たしていない状態で、勝手に載せると無断転載となります。
正しい引用は合法で、無断転載は違法。本来はそのはずですが、引用のしかたを間違えると、違法性を問われることもあります。
それについては、次の章で説明していきますね。
【正しく引用しないと危険】
あなたに降りかかる3個の恐怖
引用にはルールがあり、正しく行わないと著作権の侵害となります。その結果、降りかかる恐怖は次の3つです。
- 刑事罰を科せられる
- 損害賠償請求をされる
- ブログ閉鎖に追い込まれる
それぞれについて、以下で詳しく説明していきますね。
1. 刑事罰を科せられる
引用を正しく行わずに著作権法違反となると、刑事罰を科せられるおそれがあります。
- 個人の場合:下記いずれかまたは両方
- 10年以下の懲役
- 1,000万円以下の罰金
- 法人の場合:3億円以下の罰金
上記のとおり、懲役と罰金のいずれかまたは両方が科せられます。(著作権法第119条)
さらに、違反行為をしたのが法人の代表者や社員の場合は、罰金の上限が3億円という莫大な金額に。(著作権法第124条)
それぞれ、著作権法には以下のように記載されています。
著作権法
第百十九条 著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(中略)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第百二十四条 法人の代表者(中略)、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第百十九条第一項(中略) 三億円以下の罰金刑引用元:平成30年法律第72号 著作権法
2. 損害賠償請求をされる
正しく引用を行わないと、著作権を持っている人から損害賠償を請求されることもあります。間違った引用における請求内容は、主にコンテンツ(文章や画像)の使用料です。
自分のブログに他者のコンテンツを使う場合は、正しい引用をするか、掲載料を支払って載せるかの2択。なので、無断転載した場合は、本来支払うべきだった掲載料やライセンス料を請求されるのです。
さらに、ライセンス料は最低限の損害のため、賠償額をそれより減額することはできません。
これは、著作権法第114条に定められています。また、経済産業省のホームページでは、以下のように記載がありますね。
(3)損害賠償額の算定規定その3(著作権法第114条第3項による救済)
著作権者等は、著作権侵害を行った者に対し、ライセンス料相当額を損害額として請求することができます。この規定は、損害額の最低限を法定した規定と考えられており、侵害者が実際の損害額がこれより小額であることを主張して損害賠償を減額させることはできません。(以下略)
3. ブログ閉鎖に追い込まれる
間違った方法で引用をすると、ブログの閉鎖に追い込まれる危険性があります。著作権を侵害された人が、コンテンツの公開停止や削除を求めることがあるためです。
- プロバイダに対する情報削除の申請
(プロバイダ責任制限法第3条) - 民事による差止請求
(著作権法第112条)
無断転載をすると、ブログのサーバーに対して、コンテンツの削除申請が届くことがあります。これは、プロバイダ責任制限法によるものです。
この法律はサーバー側の責任に関するもので、要約すると以下の内容となっています。
(プロバイダ責任制限法によるサーバーの責任)
- 著作権侵害があるのにデータを削除しないとき、被害者に対して損害賠償を負う
- 著作権侵害がある場合は、データを削除してもOK
- 削除申請をブログ管理者に連絡しても、反応がない場合は削除してOK
参考元:特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律
参考元:プロバイダ責任制限法の概要③ 権利侵害情報の削除(第3条)
上記のとおり、プロバイダは著作権侵害を放置すると損害賠償を負うため、削除申請があった場合はデータを削除しても良いのです。なので、著作権侵害をすると、ブログを消されるかもしれません。
また、民事においても、著作権法でコンテンツの配信停止を求められる可能性があります。
(差止請求権)
著作権法 第百十二条 著作者、著作権者(中略)は、その著作者人格権、著作権(中略)を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。引用元:平成30年法律第72号 著作権法
ブログにおける正しい引用4つの方法
トラブルにならずに正しく引用するには、まずルールをおさえておきましょう。
著作権法において、引用とみなされるには、以下の条件があります。
(注5)引用における注意事項
他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合,すなわち引用を行う場合,一般的には,以下の事項に注意しなければなりません。(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所の明示がなされていること。(第48条)
(参照:最判昭和55年3月28日 「パロディー事件」)引用元:文化庁|著作物が自由に使える場合
上記のルールにもとづいた、正しい引用方法は以下のとおりです。
- 引用する必然性のあるものを使う
- 引用部分を視覚的に区別する
- あくまでも補完的に使う
- 引用元を明示する
それぞれ、順番に見ていきましょう。
1. 引用する必然性のあるものを使う
正しい方法の1つ目は、引用する必然性のあるものを使うことです。記事の内容を説明するために、不可欠な文章や画像であることが求められます。
例えば、先ほどお伝えした「(注5)引用における注意事項」が、まさに引用です。ここでは、ルールを説明するために、根拠となる法律を引用しました。
2. 引用部分を視覚的に区別する
次に、引用部分とそれ以外の部分を、見た目でわかるように区別することも必要です。前述の引用における注意事項では、かぎ括弧と書かれていましたね。
ブログを書く際には、引用タグ<blockquote>を使って区別するのが一般的です。
このタグを使うことによってGoogleにも「この箇所は引用しています」と伝えることができます!逆にこのタグを使わないと他の記事からコピペした扱いを受けるのでSEO上あまり良くありません。
必ず引用タグ<blockquote>を使うようにしましょう。
WordPressであれば、1クリックで<blockquote>を呼び出すことが可能。引用タグで囲まれた部分は自動的に装飾され、視覚的に分けられます。
3. あくまでも補完的に使う
引用とみなされるには、あくまでも補完するために使うこと。前述の引用における注意事項では、主従関係と表現されていた部分です。
つまり、記事のほとんどが引用文で構成されている場合は、引用ではなくパクリになるということですね。
合法的に引用するには、自分のオリジナルコンテンツが大半を占めている必要があります。
4. 引用元を明示する
正しく引用するには、引用元を明示する必要があります。
記載のしかたには決まりがありませんが、文章の引用であれば、以下の項目を載せることが多いです。
- サイト名
- 記事名(コンテンツ名)
- URL(リンク)
「引用元:◯◯◯◯」などの書き方で、引用元へリンクを貼ることが一般的となっています。
ブログで画像を使用するときの4つの注意点
ブログで画像を使用するときには、4つの注意点があります。
- フリー素材orオリジナル画像・写真を使う
- ネットで拾ってきた画像は使わない
- 他者の画像を使う場合は許可をとるのがベター
- 直リンク禁止!必ず自分のサイトにアップロードする
それぞれの注意点について、解説していきますね。
1. フリー素材orオリジナル画像・写真を使う
ブログで画像を使用するときは、フリー素材かオリジナル画像を使うのが、良い方法です。自分で用意した画像であれば、著作権侵害になる心配はありません。
また、審査や管理がしっかりしているサイトなら、フリー素材も安心してダウンロードできます。
各サイトごとで利用規約が異なるので、使用する場合は以下の点に気をつけましょう。
- 商用利用が可能か
- クレジット表記は必要か
- 人物のモデルリリースはあるか
- 画像加工はOKか
アフィリエイト報酬が発生するブログでの使用は、商用利用に含まれます。必ず規約をチェックしておきましょう。
クレジット表記とは、画像製作者名やサイト名を明示すること。必要な場合は、画像を入れたページに記載します。
さらに、人物写真の場合は、モデルリリースの取得も大切です。モデルリリースとは、写っている人が、画像の利用を許可していること。著作権は撮影者にありますが、モデルには肖像権があるため、許可のある素材を使った方が無難ですね。
また、色の補正・文字入れなどの加工がOKかどうかも、規約を確認してみてください。
ブログに使えるフリー素材・画像は以下の記事で詳しくまとめているのでぜひ参考にしてみてください!
【永久保存】ブログで使えるフリー画像&素材28選【効果抜群の使い方も紹介】>>【永久保存】ブログで使えるフリー画像&素材28選【効果抜群の使い方も紹介】
2. ネットで拾ってきた画像は使わない
ブログには、ネットで拾った画像を使わないことも重要です。
Googleの画像検索にキーワードを入れると、関連する写真がたくさん出てきますよね。しかし、それらを勝手に使うのは危険。
なぜなら、著作権侵害で損害賠償請求やブログ削除をされる可能性があるからです。(本記事内「3個の恐怖」参照)
ネット上の画像には、ほぼすべてに著作権があります。中には高額な有料素材も。安易に転載するのは、やめましょう。
3. 他者の画像を使う場合は許可をとるのがベター
どうしても他のサイトの画像を使いたい場合は、許可をとるのがおすすめです。
中には「出典:◯◯」と記載して、勝手に写真を載せているブログもありますよね。しかし、本来なら引用には「その画像を使う必然性」がいるのです。
たとえば観光地の写真など、単純にその画像を使いたいだけでは「自分で撮りに行くべき」と言われてしまいます。
画像引用の必然性を証明するのは難しく、無断転載だと訴えられてしまったらそれまで。トラブルを避けるためにも、他のブログの写真を使う際には、事前に許可をもらいましょう。
4. 直リンク禁止!必ず自分のサイトにアップロードする
他のサイトから許可を得て画像を使う場合、直リンクではなく、必ず自分のサーバーにアップロードしましょう。
直リンクとは、他のサーバーから画像データを呼び出して、自分のブログに表示させることを言います。つまり、引用元サイトのサーバー内のデータに、直接リンクを貼っている状態。
しかし、直リンクは絶対禁止です。一旦画像をダウンロードして、自分のサーバーにアップロードし直しましょう。
理由は以下の2つです。
- 直リンクを貼られたサイトのサーバーに負荷がかかる
- 元画像を差し替えられたら、こちらの写真も変わる
画面を表示させるたびにデータを呼び出しているので、相手側のサーバーには負荷がかかります。トラブルの元となるので、きちんと自分のサーバーを使いましょう。
また、他の人のサーバーにある画像は、自分で管理できません。もしも別のデータに置きかえられたら、こちらのブログに表示される写真も変わってしまいます。
以上2つの理由から、他のサイトから画像を借りる場合でも、自分のサーバーにアップロードするのがおすすめです。
▼WordPressの始め方はこちら▼ 【超初心者向け】WordPressブログの始め方を簡単にわかりやすく解説